今の気持ちをブログに書こう!
と決心したものの、
どこからどう書いていいものか、ブログ投稿に初めて戸惑っているミッチがいます。
昨日は、福島県の田村郡にある仮設住宅へ、
助産師塩野さん(日本助産師会福島県支部長)と一緒におじゃましました。
ミッチの目的は、あくまでも
被災地の助産師が妊婦/産婦の家庭訪問をするところを取材し、
当事者である産婦さん、助産師さんに直接インタビューをすること。
今回は、1月2日に出産したばかりのNさん(19歳)のご自宅に
おじゃまさせてもらいました。
助産師塩野さんのNさん宅訪問は、今回で4回目。
(10日1回のぺースの訪問になります。。。)
塩野さんは、週に3日、自宅の郡山から、
震災後に設立された
会津助産師の家「おひさま」まで通い、
それ以外の日は、郡山の自宅から車で行ける範囲での仮設住宅に
住む産婦さんたちのもとに通っています。
助産師の塩野さん
ほとんど休みなんて無い。
3.11前までは、
出張開業助産師として、お産の介助が塩野さんのメインの仕事だったのに、
今はがらりと変わって、産後の女性のケア、カウンセリングが日課。
やっぱり出産介助したいーっ
と
塩野さんはおっしゃってました。
産婆の手がうずくそうです。
「でも、あの頃には戻れないな。
福島は、これからなんだよね。
何も終わってない」
と
語った塩野さんの目が忘れられない。
ミッチの目から見ても、
福島県で警戒区域に住まれていた被災者の状況は、
あきらかに他地域と違う。
「一緒に、この地でがんばって、復旧、復興しよう!」
という感じは見受けられない。
どの家庭でも、
「ここに住み続けるか?それとも別の場所に引っ越すか?」
という話は、
頻繁によく出るという。
「ここに住み続けたくない。」「住み続けられない。」
と結論を出し、
県外に引っ越す家族が後を絶たない中、
自分たちは県外に出て
仕事があるのか、生活していけるのか、考えると不安ばかりが募ると言う。
田村郡三春町の仮設住宅も
空き家(部屋)が多かった。
そして、気になったのは、
同じ、仮設住宅の並びに住んでいても、
快晴の日中、
洗濯ものを外に堂々干している家庭と、
「洗濯ものはすべて部屋の中に干す」
と徹底している家庭
「赤ちゃんのものは部屋の中。大人の衣類は外に干す」
という家庭
様々だったこと。
聴くと、その理由は
「なんとなくね。」
「これしちゃダメ!というルールは無いから〜。」
と
いう返答が返ってくる。
これって、すべて個々の判断基準に委ねられているわけで、
子育て中のお母さんは、自分の行動が正しいかどうかもわからず、
日々葛藤しながら暮らしているんだろうな、と察することができました。
ミッチが今回取材したNさんは、
「私、内部被爆しているから。」
が、第一声でした。
Nさんは、妊婦の時に母乳育児を諦めたという。
産後、すぐに断乳。
よってNさんは、産後1カ月にして月経が再開したといいます。
それを聴いた塩野さんは、
「あ、コンドーム持ってくれば良かったね!」
と。
まさに、こういったことは
最近の産婦の家庭訪問でめずらしくない話だといいます。
Nさん家族は、3.11前までは警戒区域20キロ以内で生活をしていました。
Nさんの夫(21歳)は、今休職中。
夫に働く気が出ない理由は、毎月30万円(1家庭につき)の補償が出るからだとNさんは言う。
「働くとその分、稼いだ分だけ(30万円から)減額されるから。働かない方が得でしょ」
とNさん。
夫は、日中たいてい、パチンコに出かけているという。
「そんなんじゃいかんよ。自力で生きていかれなくなるよ。」
という塩野さんの言葉に、
「(夫が)家にずっと居てもらっても、うざいだけ。部屋が狭いし喧嘩するだけだから、パチンコ行ってもらった方が気が楽。パチンコで勝ってくればそれでいい。負けたら口聞かんから(笑)」
とNさん。
ミッチは無言で、ただ頷いて聴いているしかなかった。。。
この現状を目の当たりにして、どうすることもできないミッチは、
ただただ、無念でたまらない気持ちになりました。
でも、助産師の塩野さんは、Nさんのお母さんのように向き合い、
こうして、
そして実の親子なら、言えないことも、さらっと大先輩ママとして助言してくれる。
Nさんも塩野さんを頼れる人だと信頼しきっているから、本音を打ち明ける。
2人のやりとりを見ていて、
上辺だけでの会話ではないことをすぐ察することができました。
「塩野さん来てくれるとうれしい?」
最後にミッチが聴くと、
「うん。」
とNさんは大きく頷いて、
「いろいろ聴けるし、教えてくれるから。楽しいし!」
と、即答してくれました。
助産師さんの存在。そして家庭訪問の活動の意義を、
ここでも改めて痛感しました。
ジョイセフが、そこにほんの少しだけど、
お手伝いできたと思えたことは、本望。
とても濃厚な記録取材ができました。
Nさんと塩野さんのおかげです。
ありがとうございました。
ミッチの気持ちは、
今回、先の見えない福島の現状に感じることが多過ぎて、
まだまだどっしりと重いままではありますけどね。
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